
総力戦研究所2.0
Total War Research Institute 2.0


Nスペ戦後80年番組「シミュレーション 昭和16年夏の敗戦」の放送から1年
NHK西口前で再び抗議活動 2026年7月21日



私は、先般の石井NHK会長に宛てた公開書簡に続き、終戦記念日に、映画「開戦前夜」の石井裕也監督に対し、反省と対話を求める公開書簡を発出いたしました。映画製作委員会が卑劣な宣伝活動をやりはじめており、これに惑わされてる人々が少なくないと感じたからです。私は歴史捏造プロセスが加速されているのではないかとの危惧持ち始めています。
映画の冒頭には「作中にて架空の氏名で登場する人物は、実在の人物をモデルにしていません」とのテロップが申し訳程度に出ていますが、映画宣伝活動の中心になっているメッセージはテロップとは矛盾する内容です。「今歴史に葬られた『不都合な真実』がスクリーンで牙を向く」との意味不明ではあるものの、映画内容が事実であることを印象づける宣伝文句があちこちで踊っています。7000文字を超える長さに立っなってしまい、心苦しい限りですが、お時間がおありになればご一読いただければ幸いです。
石井裕也監督の知的不誠実さと歴史に対する謙虚な姿勢の欠如を指摘するとともに、時間の経過が歴史観にどのような影響を与えるかなどにつき、私なりの観察を述べています。
飯村 豊
8月15日
7月29日記者会見におけるNHK井上会長の発言に思う
ー「開戦前夜」上映開始に際して
(前略)
かかる状況のもとで、いよいよ上映が開始されますが、本件を扱うNHKのこれまでの不誠実な対応振り、特に様々な歴史的事実を歪曲し、私の祖父に対する敬愛追慕の情を踏みにじっておいて、我関せずの態度を取り続けるNHK井上樹彦会長の姿勢に一言申し上げるべく、同会長宛公開書簡を7月21日に発表いたしました。
この中で、私は同会長に対しこの問題に対応するため、公開もしくは非公開の対話を開始すること、また7月31日からの上映は取りやめることをお願い致しました。
これに対し、7月29日のNHK会長定例記者会見において、井上会長は「本件は係争中であり、本件をめぐる事実関係及び法的評価については、司法の場において裁判所の判断を仰ぎたい、そのため(公開書簡において、私が指摘した個々の点については)回答することは控えたいと述べ、さらに同日付けでNHKプロジェクトセンターNHKスペシャル事務局名義で、この発言を文書化したものを簡易書留で送ってきました。
これを私なりに理解するに、NHK井上会長は、従来からの「沈黙の砦」にこもり、対話は全く行わない、裁判が続いている限りは何も話さない、しかしゲリラ的に私の言動を批判することはやるという方針は全く変える気持ちは無いというように見えます。
しかしながら前記の7月29日付NHK側文書の末尾には次のような言葉が踊っています。「書簡の中でお示しいただいた、歴史を正しく後世に伝えると言う使命を果たしてほしいと言うお言葉については、公共放送へのご期待として受け止めさせていただきます。NHKはこれからも丁寧な取材を心がけ、多角的な論点を踏まえながら、歴史に関する学びや、教訓の継承に資する番組作りに努めて参ります」
あまりに無責任な言葉だと思います。歴史を後世に伝えるという使命を果たさなかったために起きた事件の被害者との対話なしに、どうしてこのような目的を達成できるのでしょうか。対話をしてこそ、このような崇高な使命を果たせるのではないでしょうか。実質的にNHKの100%子会社であるNHKエンタープライズ等が31日から上映する「開戦前夜」はこの決意表明の対象にはなっていないのですか?いつからこの努力が始まるのですか?と私は問いたい。
本件訴訟の主任弁護士を務めておられる梓澤和幸氏は私たちの訴訟を、NHKという巨大な象が小さな蟻である原告を踏み潰そうとしているとのイメージで語られました。改めて申し上げるまでもなく、憲法は如何なる個人も基本的人権の享有を妨げられず、すべての国民は個人として尊重される旨定めていますが、私はこのような憲法の規程を言うまでもなく、この巨大な象が私に対して犯そうとしているあらゆる不正義に断固として戦っていきます。
7月31日
原告 飯村豊
NHKの井上樹彦会長に対話を求める公開書簡
今日は、NHKの番組により深く傷つけられた孫として、またNHKが公共放送として歴史を正しく後世に伝える使命を立派に果たされることを期待する一国民として、さらには受信料を払う一人の視聴者としてこの公開書簡を書いています。
私は、貴会長が係争中ということを盾にひたすら沈黙するのではなく、堂々と表に出て、私と公開の対話をされることを希望します。公開がお嫌ならば非公開でも結構です。私はあなた達 NHKの皆さんがいかに非道なことをやられたのかを直接説明したいと思っています。
<中略>
私は命のある限り断固戦うつもりでおります。その間NHKの劣化現象は放置されるのでしょうか。それがあなたの会長としてのレガシーになるのでしょうか。恥ずべきことだと思いませんか。受信料を払っている視聴者は、自分達の収めた受信料がいわば映画「開戦前夜」の宣伝費として使われていることを唯々諾々として受けいれ、おとなしい羊のように黙ってNHKに搾取され続けるとお考えでしょうか。私はそのような不誠実な行動は決して受け入れられることはないと思います。貴会長が事態打開のため英断を下されるとともに、重い口を開いて説明責任を果たされることを強く期待いたします。
飯村 豊
2026年7月23日



第三回口頭弁論及び記者会見(7月22日)
原告は7月22日に、東京地裁で開かれた訴訟の第3回口頭弁論において、番組のドラマパートを拡大した映画「開戦前夜」の上映などの差し止めの請求を追加した。また、NHKの井上樹彦会長に対話を求める書簡を送付したことを明らかにし、「街頭でもどこでも、マイクを持って謝罪と上映中止を求める声をあげていく」と述べた。



第三回口頭弁論及び記者会見(7月22日)
原告は7月22日に、東京地裁で開かれた訴訟の第3回口頭弁論において、番組のドラマパートを拡大した映画「開戦前夜」の上映などの差し止めの請求を追加した。また、NHKの井上樹彦会長に対話を求める書簡を送付したことを明らかにし、「街頭でもどこでも、マイクを持って謝罪と上映中止を求める声をあげていく」と述べた。



抗議活動:歴史改竄映画「開戦前夜」をやめろ!総力戦研究所長の名誉を毀損するな!
映画「開戦前夜」・東京開催《報知映画賞・特選試写会》7月14日(火)
招待人数:800名 場所:日本教育会館 一ツ橋ホール



日本を取り巻く情勢が緊迫する中、平和を求める力が強まるべきであるにもかかわらず、テレビ番組や映画を面白くする為に、「フィクション」と称して、かつて平和を求めた人物を卑劣で好戦主義者として貶めることが許されるのか。
「歴史は真実を描いてこそ、未来への力になる」
NHKと石井監督と映画製作委員会が
Nスペ番組による歴史改竄を反省することを求めるとともに、
映画「開戦前夜」の国内外での上映に断固反対します!!
訴訟原告 飯村豊
「NHK戦後80年番組名誉毀損裁判を支援する会」

シンポジウム NHKは歴史を語れるのかー総力戦研究所の真実
日時: 6月26日(金)13:30―15:30 場所:日本記者クラブ・会見場
■総力戦研究所の真実と映画上映に向けての現状
飯村豊(総力戦研究所飯村穰所長の直孫、元駐仏大使)
■映画「開戦前夜」上映強行に対する法的対応策
梓澤和幸(多くの名誉毀損訴訟や報道被害をめぐる裁判で原告側代理人を務める)
■番組制作におけるドラマと史実の境界線
砂川浩慶(立教大学社会学部長、メディア社会学科教授)
■フィクションの陥穽――モデルの「人格権」を考える
斎藤貴男(ジャーナリスト、元放送倫理・番組向上機構(BPO)委員)
<報道記事>
NHKドラマ「歴史を歪曲」総力戦研究所所長の孫らシンポ 映画版の上映差し止め検討
(産経新聞、6月26日)
NHKの戦争叙事に遺族が疑問視 関連の検討会は「歴史歪曲」と指摘(中国語)
(香港新聞社、6月27日)※日本語訳



この度、わたくし飯村豊は「総力戦研究所の真実 ―歴史の法廷に立つNHK」を上梓しました。この本の中で、初代総力戦研究所長・飯村穣を卑劣な人間として描いたNHKと映画監督石井裕也さんの制作姿勢を告発し、史実歪曲ドラマがどのようにつくられたか、私の見方を述べました。
出版の翌々日12日に、製作委員会は「(私の考えや行動が)一方的な見解に基づくものであり、断じて受け入れることはできません」とのメッセージを自らのホームページに掲載しました。
(中略)
製作委員会と同様、私どもは憲法に定める「表現の自由」の重要性を充分に認識しており、日本における表現活動に負の影響を与えることを望んでいません。また、関係者の信用や名誉を不当に毀損する意図も全くありません。
今回の問題の本質はそこにはなく、容易に特定される人物を、フィクションだとして仮名にすれば、何の根拠もなく卑劣な人物に描いても良いのかどうかということです。さらに言えば巨大な組織が、司法の力に頼る以外何の手段も持たない一人の市民の権利を奪うことがこの日本で許されていいのかという問題なのです。また、アメリカとの戦争に反対した人物を好戦派として描く映像を制作することが、平和を望む人々の力を削ぐことにならないかという問題でもあります。
「歴史は真実を描いてこそ、未来への力になる」というのが私共の思いです。そして、同じ思いを持つ弁護団、支援して下さる方々とともに、史実を歪曲し、個人の人格を毀損する映画が上映されることがないように闘ってまいります。
飯村 豊
2026年6月15日
製作委員会からのメッセージ(6/12)に対する反論

映画「開戦前夜」製作委員会の声明について
映画「開戦前夜」製作委員会(以下「製作委員会」という)は12月25日、インターネット上の声明により、映画の製作と公開を発表しました。
製作委員会は声明において、「2025年8月に放送されたNHKスペシャル「シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~」(前後編計98分)のテーマをより深くお伝えすべく、約139分の完全版として2026年以降に劇場公開」するとしています。
私、飯村豊は作品のモデルとなっている飯村穣の孫に当たりますが、祖父の人物像が誤った描写でゆがめられ、死者の名誉が毀損され、遺族の敬愛追慕の感情が著しく侵害されたとの理由で、NHK及び製作委員会を構成する4社及び脚本執筆、演出を担当した石井裕也監督らを被告として、550万円の損害賠償請求訴訟を12月24日、東京地裁に提起しました。
その翌日に当たる12月25日、NHKスペシャルのドラマパートをさらに41分も拡大した映画化の発表がされ、驚愕、困惑するともに、この映画の公開中止を強く求めます。
理由は以下の3点です。

飯村穣とは
<記事の抜粋>
「総力戦研究所」の設立構想を推進した一人で、初代所長として「閣僚」となった研究生たちをまとめた人物で、鬼才・石原莞爾の盟友(陸軍士官学校の同期)であり、陸軍きっての知将として知られています。
飯村は1888年(明治21)に筑波町沼田(現つくば市)で代々名主を務める名家に誕生。陸軍軍人に憧れ、士官学校、陸軍大学校へ進学し、優秀な成績で卒業。特に語学(フランス語とロシア語)と戦史、戦術研究に優れ、トルコ大使館付武官時代には同国参謀長の信頼を受け、トルコ陸軍大学での戦史講義を委嘱されたことで有名です。
人格温厚、幅広い教養と高邁な識見を持ち、ソ連や欧米通としても知られていたことから各方面で厚い信頼を得ており、満を持して総力戦研究所の初代所長に就任。
軍人の厳格主義だけでない柔らかな懐の深さを持っており、研究生たちが自由にものを言える梁山泊的な雰囲気をつくり出していたといいます。それが、現実の日米交渉が難航する中で、政府や軍の要人らを前に「日本必敗」という研究成果を報告することを可能にしたのでしょう。
Nスペによる名誉毀損問題をめぐって
NHKが8月16、17日に放送した戦後80年番組・NHKスペシャル「シミュレーション 昭和16年夏の敗戦」ドラマにある「総力戦研究所」所長の描き方に対し、飯村穣所長の孫である飯村豊元駐仏大使は、「歴史がゆがめられ、祖父の人格を毀損された」と抗議し、8月26日に記者会見を行いました。
その後、9月16日、NHK会長の定例会見でも話題となり、稲葉延雄会長は「今回のような、様々な意見が出るような演出は、NHKらしくなかった」とのコメントを出しています。一方、石井裕也監督は「表現の理由と正当性について然るべきタイミングで話すこと」としていました。
■8月26日 飯村豊氏による抗議の記者会見
■9月16日 NHK稲葉会長による定例会見
■10月3日 飯村豊氏、放送倫理・番組向上機構(BPO)「放送倫理検証委員会」に要望書を送付
■10月14日 「緊急集会!NHKのあり方を考える~ドラマによる現代史の改ざんは許されるか」
■10月17日 「放送倫理検証委員会」、審議の事前調査にあたる「討議に入らない」と判断
■12月24日 NHKや映画監督、制作会社などを相手取り、損害賠償を求める訴えを起こす
■12月25日 映画「開戦前夜」製作委員会が「公開」を発表
■12月27日 飯村豊氏が「声明文」を発表、映画「開戦前夜」公開の中止を求める
■2026年2月18日 第一回口頭弁論が東京地裁で行われる。期日後に原告側の記者会見も
■2026年4月27日 第二回口頭弁論、NHKとNEP他4社・石井監督側の反論(準備書面)
■2026年6月10日 筑摩書房より「総力戦研究所の真実 歴史の法廷に立つNHK」を出版
■2026年6月26日 シンポジウム「NHKは歴史を語れるのかー総力戦研究所の真実」開催
■2026年7月21日 飯村豊氏、NHKの井上会長に公開書簡を送付
■2026年7月22日 第三回口頭弁論、NHKらの準備書面に対する反論及び映画上映禁止請求を追加
次回期日は10月5日(月)13時半 東京地裁705法廷
……

NHKのサイトで「実録ドラマ」と紹介

飯村豊氏による抗議の記者会見 2025.8.26

有識者によるシンポジウム 2025.10.14


